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(イ)研究活動における「特定研究不正」の例
1)データのねつ造
実験に時間や手間がかかる場合や実験が成功しなかった場合に、実験を行わず架空の数字を観測データとして報告する例があります。泡ができる様子を観察する物理実験をしていた生徒が、時間不足のため泡の測定を10個しか行わなかったにもかかわらず、50個測定したように記載するとねつ造になります。こうした場合は、実際に測定したデータを報告する必要があります。
2)取得データの改ざん
得られた観測結果にばらつきがあった場合、予想に近い数字のみを使って考察を行う例があります。化学反応のpH変化を測定する化学実験を行った際、実験毎のデータにばらつきがあり、なるべくきれいなデータが取れたように測定結果を省いたり、都合の良い測定結果を選んだりすると、改ざんになります。この場合は、実験者の気持ちが数値に反映しないようにする必要があります。
3)画像の盗用
研究発表のレポートやポスターの中には、研究対象物や素材、実験・調査風景、実験装置などの写真が掲載されている例があります。自分で撮影した画像や他者が撮影したものでも許可を得て用いることには問題はありませんが、WEB 上から勝手にコピペして用いることは盗用になります。研究発表では、自分で撮影した画像を使用するようにし、他人が撮影した画像を使用する場合、その画像の出典を明記して使用するように心がけましょう。