中等教育における研究倫理:基礎編 p5

3. 研究計画、実施、成果公開
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(ア)研究計画について
1)はじめに

みなさんは、学校での課題研究の時間や課外活動の時間に、研究をする機会があるでしょう。その研究の対象や目標は一人ひとりの興味に応じて様々だと思います。しかし、いずれの研究においても研究計画を立てることは、欠くことのできない重要なステップです。

例えば、どうするとメロンを速く熟させて甘くできるかに興味を持ち、このことを深く研究するとしましょう。その場合、どのようなメロンを選んだらよいか、どのような実験設備や装置を準備したらよいか、どのような温度や時間で調べたらよいか、どのような方法で甘さを観察し結果を記録するか、この実験に危険性はないか、また、どのように観察後のメロンを廃棄するかなど、いろいろと検討すべき項目がありそうです。また、これまでに実施されている事例や結果があればそれらについて学び、実施しようとする研究とこれまでの研究とのアイデアの違いなどを明らかにできれば、新たな発見へのわくわく感をもって研究を進められそうです。このように、研究の目的を達成しようとするうえで、研究計画をきちんと立てることが大切です。

2)研究計画で必要となる内容

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研究計画を立てる作業は、これまでに行われている研究内容や結果を調査・学習することから始まります。その過程で、具体的に実施可能な研究の内容を検討し、研究方法・実験方法や解析方法、研究実施期間、研究レポート作成期間、発表方法などを整理し、研究計画を作成します。多くの項目があるため、仲間との話し合いや「研究の指導者」や「研究分野に精通している専門家」のアドバイスを受けることが非常に大切です。また、研究の進捗状況によっては、研究計画の修正や見直しがあることも考えておきましょう。

では、どうしたら研究の動機や目的が明らかとなり、わくわくする計画となるでしょうか? みなさんは、疑問に思うことや不思議だと感じることがあると、すぐにでも解き明かしたいと考えて、rse01_07実験や観察、解析などに取り掛かるかもしれません。ところが、これまでに他の人が同じように疑問に思い、何らかの研究をしていることがよくあります。そのため、どのようなことがすでに報告されていて、何がまだ分かっていないのか、研究する内容についての知識を得ることは、研究のオリジナリティを確保するうえで大切です。インターネットなどを使っての調査、本や科学雑誌からの情報収集、さらに、仲間との話し合いなどは非常に効果的です。また、報告されている内容にならって行われた研究を再現し、同じ結論が得られることを確認することは、実験方法や解析方法を習得し、報告されている内容やこれから取り組もうとする研究課題についての理解を深めるうえで非常に役立ちます。このようにして、研究の動機や研究を通じて何を明らかにしたいかを具体化していきましょう。みなさんの個性に応じて、新しい実験装置・実験方法の考案、新しい解析方法や新しい予測や仮説の提案など、様々な研究テーマが浮かんでくると思います。これらの研究テーマは、新しい発見や新しい技術の開拓などにつながる可能性を秘めたものとなるでしょう。そうした提案を実行に移すため、研究・実験方法や解析方法、研究実施期間、研究レポート作成期間、発表方法などを整理し、これを研究計画としてまとめ、研究の実施可能性なども含め、「研究指導者」や「研究分野に精通している専門家」の指導を受けましょう。