開催概要
2024年度全国公正研究推進会議 ~研究活動の国際化に伴う諸課題~
自由でオープンな研究交流は、科学進歩の基盤であり、グローバルな課題の解決に国際的な研究協力は不可欠です。しかし近年、このオープンな研究環境を悪用し、個人的利益の追求、政治目的への利用、新技術の独占をもくろむ、といった外国からの不適切な働きかけが目立ち、その影響の深刻さを増しています。そのため、多くの国が、国際的に合意された規範や規制に即しない国際共同研究を国家や経済の安全保障に対する重大なリスクと捉えるようになっています。
研究者は、オープンさを最大限推進しつつ、公正さと健全さを守り、科学の発展とその成果の公平な享受を推進する義務を負っています。その上に研究活動が国の安全を損なわないかどうかを自ら問うべき状況になっています。
会議ではこのような新しいリスクに関連して、重要度の高い話題を中心に現状を把握し、公正研究の推進のために対応、留意すべき点を確認しあう機会としたいと願います。皆様のご参加をお待ちしております。
主 催:一般財団法人公正研究推進協会(APRIN)
日 時:2025年 2月 12日(水)
場 所:東京大学安田講堂、工学部2号館講義室、展示室ほか
東大構内案内図:https://www.ipaj.org/workshop/2015/pdf/UTokyo_campus_map.pdf
※東大赤門は閉門されている可能性があります。正門の正面が安田講堂です。
形 式:現地対面(当日のライブ配信なし)
オンデマンド配信:
後日オンデマンド配信を行います。
参加登録していただいたメールアドレス宛にオンデマンド配信視聴用のリンク等を
お送りいたしますので、参加登録が始まりましたら、ご登録をお願いいたします。
対 象:国内の研究者、研究公正指導者・担当者、事務担当者、政府関係者、企業の技術開発担当者、学生等
※研究倫理・研究公正にご興味のある方は、職名や業務内容に関わらずどなたでもご参加頂けます。
※昨年度(2023年度)参加登録者の「機関・職名別集計結果」はこちらからご参照ください。
リンク先ページ中ほどの「開催結果」をご覧ください。
参加費:無料(情報交換会は一人2千円頂戴いたします)
言 語:日本語
写真撮影・動画収録について:
記録およびオンデマンド配信のため写真撮影・動画収録を行います。予めご了承ください。
また、一般参加者の撮影は東京大学により禁止されています。取材のご希望がありましたら、
事前にAPRIN事務局へお知らせください。安田講堂外で建物外観を撮影する場合、別途東京
大学の広報担当部署に申請が必要になりますのでご注意ください。
ポスター
画像をクリックしてPDFファイルをダウンロードできます。
※全体会(前半)の時間配分が変更になりました。詳細はプログラムをご覧ください。
プログラム内容(予定)
9:45~ | サテライト・イベント 受付開始 |
10:00-12:00(120分) 工学部2号館213号室 | ■サテライト・イベント(研究者対象) 「研究の国際化とリスクマネジメント(仮)」 近年の研究活動の国際化の動きに伴い、従来課題とされてきた責務相反や利益相反に加え、研究セキュリティ・インテグリティなどの新たなリスクに対するマネジメントの必要性が認識されつつある。そこで、本イベントではこれら諸課題の最新状況について、研究機関における具体的な取組み等を踏まえた話題を提供し、フロアとのディスカッションを通じて、特に国際共同研究等を企画・実施する際の留意点を本イベント参加者の共通認識としたい。 座長:樋笠知恵(APRIN客員研究員、信州大学医学部 公正研究推進講座 助教(特定雇用)) 10:00-10:05 趣旨説明(座長) 10:05-10:30 講演1 「研究活動の国際化に伴う諸課題とリスクマネジメント(仮)」 明谷早映子(東京大学大学院医学科研究科 利益相反アドバイザリー室・室長) 10:30-10:55 講演2 「国際共同研究における生物遺伝資源の取り扱いについて(仮)」 鈴木睦昭(国立遺伝学研究所 ABS支援室 室長) 10:55-11:20 講演3 「複数国参加による広域国際共同研究の事例・現状と課題(仮)」 片上幸美(APRIN客員研究員、信州大学医学部 公正研究推進講座 助教(特定雇用)) 11:20-12:00 パネルディスカッション |
10:00-12:00(120分) 工学部2号館展示室 | ■サテライト・イベント(事務対象) 「公正な研究活動を推進するために」 現在、研究機関には、公正な研究活動を推進するため、不正行為の事前防止策として、組織の責任体制確立、研究倫理教育実施等の環境整備とともに不正事案に適切に対応することが求められています。 これまで、公正な研究活動を推進するための体制整備が着実に進展してきました。その中で、研究支援者に求められる事項として、研究倫理教育の実効性を高めるとともに、不正事案の告発への対応にとどまらず、日常的にさまざまな相談等に教員と伴に対応することも求められています。 研究機関の公正な研究活動を推進するためには、取り組みの中核的役割を担う人材が不可欠です。そこで、一般財団法人公正研究推進協会では、認定研究公正アドバイザー制度を発足させ、公正な研究活動を推進するための知識と能力を有する方を“認定研究公正アドバイザー(Certified Research Integrity Advisor)”として認定することになりました。 制度の概要説明後、各種課題について、様々な参加者(国公私立大学、研究機関、企業等)でグループ討議を実施し、現場における情報の共有と意見交換を行いたいと考えています。 座長:戸谷秀一(APRINコーディネーター) 副座長:岩下、山本、室伏(APRIN事務局) 10:00~10:05( 5分)開会挨拶 10:05~10:20(15分)話題提供1 「認定研究公正アドバイザー制度について」 福嶋義光(APRIN理事、信州大学医学部 特任教授) 10:20~10:25( 5分)話題提供2 戸谷秀一(APRINコーディネーター) 10:25~10:30( 5分)グループ討議についての説明 10:30~11:30(60分)グループ討議 11:30~12:00(30分)グループ発表・閉会 |
12:00-13:00(60分) | 昼休憩 |
13:00- 安田講堂 | 2024年度全国公正研究推進会議 受付開始 |
13:30-13:35(5分) 13:35-13:40(5分) 13:40-13:45(5分) | ■2024年度全国公正研究推進会議 全体会(前半) ・開会挨拶 浅島誠(APRIN会長、帝京大学先端総合研究機構 機構長/特任教授) ・来賓挨拶 岡村勝文(文部科学省 科学技術・学術政策局 研究環境課 研究公正推進室長) ・後援機関のご紹介 |
13:45-14:00(15分) | 基調講演1 永井良三(APRIN理事長、自治医科大学 学長) 「医療・医学研究における生成AIの課題」 生成AIの進歩はめざましい。最近は生成AIを通じて、一般の市民も医療に関する知識や診断に関する情報を入手することができる。しかしAIには一定の割合で誤った情報が含まれており、提示された情報の取扱いには注意が必要である。AIの提示する情報を医療現場で利用するときの責任や倫理についても議論が始まった。一方、海外の医療用生成AIが相次いで上陸するなかで、我が国独自の医療生成AIの開発も重要な課題である。とくに開発に用いる医療情報の収集と同意、また学術研究目的で開発されたAIモデルを商用利用する際のPMDAによる規制と情報提供に対する同意のあり方は、臨床研究法や個人情報保護法との関連で多くの課題が指摘されている。講演では、現在内閣府の第3期戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で進められている医療生成AIのプロジェクトを紹介するとともに、開発過程で明らかになった問題を紹介する。 |
14:00-14:15(15分) | 基調講演2 長井寿(APRIN専務理事、国立研究開発法人物質・材料研究機構 名誉研究員) 「Well-being向上の基盤を守る情報管理」 人類のWell-being向上には社会的な基盤や仕組みが不可欠である。自然生態系や資源、長年かけて作り上げてきた社会資本、そして根付き発展してきた社会システムなどである。これらの基盤の活用、運営には技術と知識が深く関わる。優れた技術や知識は人類全体で共有されていくべきであるが、その際、互いの権利を尊重し信頼関係を維持せねば、相互に利益を損なう。研究者、技術者こそこの点を冷静に認識し、適切に行動することが求められるのだが、それは、最初に権利侵害が起こるのは研究者、技術者の身辺であるからだ。そうした中、今日では情報収集を国際的に行う必要性が増している。その中では、一人ひとりが高い知性と倫理性を以て、学会誌などに見られる「二次情報」に頼らず、情報の真実性を高めるべく実体験や調査および実験を通じた「一次情報」を求め、問題解決に貢献する事が必要とされる。この事は研究者、技術者にしかできないからだ。 |
14:15-14:30(15分) | 基調講演3 市川家國(APRIN専務理事、信州大学医学部 招待教授) 「わが国がかかえる国際化へ向けた課題(仮)」 |
14:30-14:55(25分) 14:55-15:00(5分) 15:00-15:30(30分) | パネルディスカッション 司会:児玉安司(APRIN理事、新星総合法律事務所 弁護士、一橋大学法科大学院 客員教授) 永井良三(APRIN理事長、自治医科大学 学長) 話題提供:森田朗 (一般社団法人次世代基盤政策研究所 代表理事・研究所長) 「EHDS(European Health Data Space)にみるEUにおける医療データの二次利用のあり方(仮)」 論点整理:児玉安司(司会) パネルディスカッション パネリスト:基調講演及び話題提供の先生方 |
15:30-15:45(15分) | 会場移動・休憩 |
15:45-17:15(90分) 安田講堂 | ■医生命科学系分科会 「研究者にとっての「研究セキュリテイ」のための具体策」 医生命科学系においては、再現性を最大限確保すべく、研究者間の積極的な生データ・方法・機材等の共有化が奨励されてきた。その一方、最近に至り、公的資金を受けている研究者が、外国から同時に研究費や給与を得たり、国外に並行して研究室を運営して隠蔽する事件が発覚した。さらには、公的資金申請のための研究計画の内容が審査員の手により外国へ流出したり、研究試料が持ち去られる事件も発生している。 そこで、米国の公的資金配分機関は、知的財産権確保といった経済安全保障上の必要性から、研究機関向けに「不適切な外国の影響」を避けるための具体的な指針を本年発出した。 経済安全保障上、日本は米国と同様に半導体・蓄電池・重要鉱物・医薬品を最も重要な産業としていることからして、「研究セキュリティ」への対策はわが国の医生命科学系の研究コミュニティにとっても重要な課題である。この課題を研究者の立場で、どの様に心がけるべきかを議論していきたい。 座長:市川家國(APRIN医生命科学系分科会委員長、APRIN専務理事、信州大学医学部 招待教授) |
15:45-17:15(90分) 工学部2号館212号室 | ■理工学系分科会 「国際的研究開発における機微技術の管理とセキュリティクリアランス」 海外との共同研究の機会や留学生数が増大しつつある一方で、近年の国際情勢の変化にともない、大学や研究機関における安全保障輸出管理の厳格化が求められています。このような状況変化から、欧米の先進国では機微技術の輸出管理を強化しています。日本においても外為法に基づく技術提供等の管理について、大学および研究機関等に対して、法令遵守のための体制整備と機微技術に対する情報管理のレベルを向上させる必要があります。また、海外の大学や企業との間で機微技術に関して情報共有が円滑に行われるには、人、施設、サイバー環境へのセキュリティが担保される必要があります(セキュリティクリアランス)。このような最近の安全保障輸出管理には、管理体制の構築をはじめ、研究者各自による制度の理解、管理対象の把握、研究開発セキュリティなどに多くの課題があります。これらの課題について、専門家による講演と討論を行います。 座長:三木哲也(APRIN理工学系分科会委員長、電気通信大学 名誉教授) 15:45-15:50 開会挨拶 15:50-16:05 講演1 「APRIN新単元「機微技術の管理」について」 長井寿(APRIN理工学系分科会委員、APRIN専務理事、国立研究開発法人物質・材料研究機構 名誉研究員) 16:05-16:30 講演2 「安全保障貿易管理と大学・研究機関における技術管理」 平井宏治(経済安全保障アナリスト) 16:30-16:55 講演3 「研究セキュリティにおけるセキュリティクリアランス」 藤谷 昌敏(金沢工業大学 産学連携室 客員教授) 16:55-17:15 総合討論 |
15:45-17:15(90分) 工学部2号館211号室 | ■人文学・社会科学系分科会 座長:井野瀬久美恵(APRIN人文学・社会科学系分科会委員長、大学共同利用機関法人人間文化研究機構 監事・甲南大学名誉教授) 副座長:野内玲(広島大学高等教育研究開発センター 准教授) 15:45-15:47 開会挨拶 15:50-16:10(20) 趣旨説明「アグノトロジーと研究公正の接続」 野内玲(広島大学高等教育研究開発センター 准教授) 16:10-16:50(40) 講演「調整中」 隠岐さや香(東京大学大学院教育学研究科 教授) 16:50-17:15(25) 質疑応答とディスカッション |
15:45-17:15(90分) 工学部3号館31号室 | ■中等教育系分科会 「中等教育における研究発表・交流の国際化」 近年、中等教育では、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成が一段と求められている。そのため、生徒が主体的に進める探究活動やその指導への関心が高まっている。そうした活動・指導では、国内の枠内にとどまらず、国際的な視点を意識した取り組みがますます必要な情勢である。研究課題を通じた海外との交流や国際的科学コンテストへの参加など、すでに多くの取り組み例がみられる。このような状況を見るとき、研究発表・交流の国際化が生徒や社会に与えるインパクトを踏まえて、国際的な視点から、中等教育における研究活動の実状や研究倫理等に関する問題点などを議論しておくことが必要と考える。 今回の分科会シンポジウムでは、2名の講師の方に関連の講演をしていただき、「中等教育における研究発表・交流の国際化」に関連した問題点や課題などを討論する。 座長:岩本光正(APRIN中等教育系分科会委員長、東京工業大学名誉教授) 副座長:鈴木石根(APRIN中等教育系分科会委員、筑波大学 生命環境系 教授) 15:45-15:47 開会挨拶 15:50-16:20 講演1 「探究活動を通じた生徒の成長と国際的視野の育成 ―主体性と研究倫理の調和をはかる教育環境の構築―(仮)」 森 研堂(玉川学園高等部 高等部 教諭) 16:20-16:50 講演2 「中高生が挑む国際的な科学技術コンテスト(仮)」 村本哲哉(東邦大学 理学部 准教授) 16:50-17:15 質疑応答とディスカッション |
15:45-17:15(90分) 工学部2号館213号室 | ■事務系分科会 「現場に求められる「研究の国際化に伴う諸課題」への対応」 現在、研究機関には、公正な研究活動を推進するため、新たな課題について対応することが求められています。変わりゆく国際情勢の中で、「研究インテグリティ」、「貿易管理」、「機微技術」等への対応を研究機関は求められていますが、何を、どのように行えばよいのか、確たるものが存在しないのも事実です。 そのような状況の中で、各研究機関は、手探りで業務を進めつつ苦慮しているのではないでしょうか。そこで、話各研究機関の情報共有に続き、各種課題について、様々な参加者(国公私立大学、研究機関、企業等)でグループ討議を実施したいと考えています。 座長:戸谷秀一(APRINコーディネーター) 副座長:岩下、山本、室伏(APRIN事務局) 15:45~15:50( 5分)開会挨拶 15:55~16:10(15分)話題提供 「研究活動の国際化と新たな課題(仮)」 片上幸美(APRIN客員研究員、信州大学医学部 公正研究推進講座 助教(特定雇用)) 16:10~16:15( 5分)グループ討議についての説明 16:15~16:55(40分)グループ討議 16:55~17:15(20分)グループ発表・閉会 |
17:15-17:30(15分) | 会場移動・休憩 |
安田講堂 17:30-18:30(60分) 18:30-18:35(5分) | ■2024年度全国公正研究推進会議 全体会(後半) ・各分科会からの報告とディスカッション 登壇者:4分科会座長 ・閉会挨拶 永井良三(APRIN理事長、自治医科大学 学長) |
18:35 | 解散(情報交換会参加者は会場移動) |
19:00-20:00(60分) 工学部2号館展示室 | ■情報交換会 |
ポスター発表
研究の記録 ー実験ノートの実際ー
発表者:片上幸美(APRIN客員研究員、信州大学医学部 公正研究推進講座 助教(特定雇用))
安田講堂ロビーにて発表予定
参加登録
「2024年度全国公正研究推進会議」参加登録フォーム(クリックしてください)
※受付期間
・受付リスト作成のため、事前の参加登録は 2025年2月7日(金)午前10時で一旦締め切らせて頂きますので、
期日前のご登録をお願いいたします(会議終了後にオンデマンド配信視聴のための登録受付を再開
いたします)。
・やむを得ず参加登録をせずに当日会場へお越しいただく場合は、安田講堂内の受付にて
名刺を一枚頂戴いたします。
・2024年度の参加登録フォームは上記1種類のみです。サテライト・イベントもこのフォームから
登録可能です。
・情報交換会の参加費(2千円)は当日会場でお支払いください。
※オンデマンド配信について
・オンデマンド視聴のご案内は、配信準備完了後、参加登録していただいた方にお送りいたします。
当日参加が難しくオンデマンド配信のみ利用する場合も、上記フォームより参加登録をお願いいたします。
※登録時のエラーについて
登録時に、まれに「リロードして再度回答してください。」「Reload and retry」というエラーが発生することがあります。これはボット判定されたことにより発生するエラーです(サイトのセキュリティ対策のため設定しています)。このエラーが発生した場合は、別のブラウザや端末、IPアドレスより再度お申込みをお試しください。解決しない場合はお手数ですがAPRIN事務局までご連絡ください。
後援機関
準備中